士業コラム メインビジュアル

COLUMN

リーガル・フェイスの
士業コラム

相続手続き、どこに依頼するべき?<br>〜司法書士・弁護士・税理士・行政書士の比較と選び方〜

相続手続き、どこに依頼するべき?
〜司法書士・弁護士・税理士・行政書士の比較と選び方〜

家族が亡くなったとき、私たちは悲しみの中で多くの手続きを進めなければなりません。

そのひとつが「相続手続き」です。

 

しかし、実際に何をどう進めればいいのか、誰に頼ればいいのか、迷う方がほとんどではないでしょうか。

 

相続手続きは、自分でもできるものもありますが、専門知識が求められる場面も多く、結果的に専門家に依頼する方がスムーズに進みます。

では、司法書士、弁護士、税理士、行政書士──どの専門家に依頼するのがベストなのでしょうか。

今回は、それぞれの特徴やメリット・デメリットを比較しながら、ご紹介させていただきます。

 

1  相続手続きとは何か

そもそも相続手続きとは?
相続手続きとは、亡くなった人(被相続人)の財産や権利義務を、相続人が受け継ぐための一連の作業を指します。

不動産の名義変更(相続登記)、銀行口座の解約・名義変更、遺産分割協議、相続税の申告など、やるべきことは非常に多岐にわたります。
どのような手続きが必要かこちらのコラムにまとめていますので、ご参照ください。

 

1-1  相続登記義務化と今後の注意点

しかも、不動産が含まれる場合には相続登記が必要になり、2024年からは相続登記が義務化され、3年以内に手続きをしなければ過料が科される可能性もあります。

手続きの煩雑さ、義務化の期限を考えると、お時間のない方には専門家の力を借りるのも選択の一つです。
詳細につきましては、こちらのコラムをご参照ください。

2  相続を依頼できる主な専門家とその役割

各士業の特徴とメリット・デメリット
それでは、実際に依頼できる4つの士業について、順番に見ていきましょう。

 

2-1  司法書士に依頼する場合

司法書士の強み(相続登記・書類作成)

司法書士は、不動産・法人の登記手続きの専門家です。

相続においては、不動産の名義変更(相続登記)を中心に、戸籍の収集、遺産分割協議書の作成、預貯金・有価証券等の手続きなどにも対応してくれます。

 

また、法人を経営されている方がお亡くなりになった場合には、役員変更登記も必要になってくる場合もありますが、その分野も司法書士が対応可能となります。

 

メリット

不動産登記・法人登記の専門家。
相続手続きに必要な戸籍収集や遺産分割協議書作成など、煩雑な事務作業をサポートできる。
銀行や証券口座、他の金融資産の相続手続きも依頼できる。

 

デメリット

相続人同士の争いには対応できない(調停・裁判は弁護士に依頼)
相続税の申告や節税対策には対応できない(税理士に依頼)

 

司法書士が向いているケース

不動産や法人の登記手続きが必要
相続人同士で争いがない
金融機関等の手続きを迅速に進めていきたい

 

2-2  弁護士に依頼する場合

弁護士の強み(トラブル対応・裁判対応)

弁護士は、法律トラブルの専門家です。

相続では、遺産分割を巡る争いごと、遺留分の請求、遺言無効の訴訟などに対応できます。

 

メリット

相続人間での争いに強く、代理人として交渉・調停・訴訟を行える
法的トラブルを未然に防ぐアドバイスが可能
遺言書の無効主張、遺留分侵害額請求など、複雑な問題にも対応

 

デメリット

費用が高額になる可能性がある(着手金+成功報酬がかかる)
不動産登記や金融機関等の実務手続きは対応できない(しない)場合がある

 

弁護士が向いているケース

相続人間で深刻な対立がある
遺産分割協議がまとまらない
遺言書の内容を巡る争いがある

 

2-3  税理士に依頼する場合

税理士の強み(相続税申告・節税対策)

税理士は、税金の専門家です。

相続においては、相続税の申告や節税対策を担当します。

 

メリット

相続税の申告代理が可能(これができるのは税理士だけ)
節税のアドバイスを受けられる
生前贈与など事前対策も相談できる

 

デメリット

税金以外の手続き(登記や争いごと)には対応できない
相続税が発生しない小規模な相続では依頼の必要がないことも

 

税理士が向いているケース

相続財産が大きく、相続税が発生する
節税対策を考えたい
相続税申告期限(10か月以内)が迫っている

 

2-4  行政書士に依頼する場合

行政書士の強み(書類作成サポート)

行政書士は、書類作成の専門家です。

相続においては、遺産分割協議書や各種書類の収集・作成をサポートします。
銀行や証券口座の相続手続きも依頼できます。

 

メリット

戸籍収集や遺産分割協議書作成を依頼できる
銀行や証券口座、その他の金融資産の相続手続きを依頼できる

 

デメリット

不動産登記、法人登記ができない(司法書士に依頼が必要)
裁判や争いの代理はできない
相続税の申告もできない

 

行政書士が向いているケース

戸籍収集や遺産分割協議書だけ作成してほしい
金融機関等の手続きが必要

 

司法書士⚠️※1

代理申請をすることはできません。

弁護士⚠️※2

相続・法人登記は司法書士へ任せるケースが多いです。

相続税申告代理は国税局長に通知している、税理士会に税理士登録しているのが条件です。

3  まとめ 相続手続き、正しい専門家選びのすすめ

 

相続手続きに必要なサポートは、相続の内容によって変わります。
状況によっては、司法書士+税理士、弁護士+司法書士といったように複数の専門家に依頼することもあります。

特に不動産相続と相続税申告が絡む場合は、ワンストップで対応できる事務所を選ぶとスムーズでしょう。

 

弊所では相続人調査(戸籍収集)や遺産分割協議書の作成、預貯金の解約や不動産の名義変更など、多様な相続手続きをまとめて代行いたしております。

また、相続税申告が必要な場合は、提携税理士と連携して相続税申告はもちろん税金の納付を代行することも可能ですので、お困りの方がいらっしゃいましたら、何なりとお問い合わせください。

 

一覧へ戻る