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株式の相続について財産調査から売却までの手続きを解説!

株式の相続について財産調査から売却までの手続きを解説!

こんにちは。リーガルフェイス相続課の西野です。

近年、政府からの施策もあり株式への投資に興味を持たれ、

実際に株式を購入されてらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

 

今回は、株式投資をしている方が亡くなり、色々な株式を相続した場合に

どのように手続きを進めていくかについて解説していきたいと思います。

 

 

まず相続が発生した場合には、相続人調査をする必要があります。

その点について、下記コラムをご覧ください。

【事例つき!】出生から死亡までの戸籍の集め方

 

相続人の特定が完了したら、続いては財産調査を進めることになります。

どこの金融機関にいくら財産があるのか、不動産はどれくらいあるのか等々を

調査し相続財産を確定します。

 

遺言書が存在し財産が記載されていたとしても、

全ての財産が記載されているかどうか分かりませんので、

上記の調査することをおすすめしております。

 

遺言書がなく財産がわからない場合には必ず財産調査を行いましょう。

 

1.株式の財産調査

 

株式には2種類(上場株式・非上場株式)があります。

 

上場株式の場合

 

上場株式をお持ちの場合には、証券会社等から年間取引報告書または

株式の評価証明書が1年に1回は送付されますので送り元の証券会社等に

確認してみましょう。

 

また、証券会社からの入金があるかどうか、故人の通帳の入出金履歴も確認しましょう。

毎年、配当金を受け取っている可能性もありますので把握していなかった株式が

判明するかもしれません。

 

口座開設をしている証券会社等がわかれば、お亡くなりになった時の残高証明書を

発行してもらい財産を確定しましょう。

 

証券会社によっては他にも株式を持っていないか調査してくれたり、

古い株券などがあった場合には証券保管振替機構という機関で

口座の有無を調査することもできます。

 

非上場株式の場合

 

上記で申し上げた、証券会社への問い合わせや証券保管振替機構への

照会によって保有していた株式を調査することはできません。

 

まずは株券や郵便物を調査し、非上場株式の発行会社が判明したら、

残高証明書を請求しておきましょう。

 

原則は株券不発行になりますが2004年の法改正前に設立された非上場会社であれば

「株券」として残っているケースもあります。

 

株券の発行会社から不発行会社に変わった場合には、

何らかの通知が株主に対して届いているはずなので、

見つけた場合には発行会社に連絡してみましょう。

 

2.財産の評価

 

□上場株式の場合

 

評価方法としては、以下の4つの価額のうち

「もっとも低い金額」で計算することになります。

①相続があった日の終値

②相続があった月の終値の平均額

③相続があった月の前月の終値の平均額

④相続があった月の前々月の終値の平均額

 

□非上場株式の場合

 

「類似業種比準方式 」「純資産方式 」「配当還元方式 」の3つの方式を

当てはめて計算します。

 

上記を計算するには、専門家に依頼することをおすすめいたします。

会社規模や同族株主か否か等で評価方法が変わるため、税理士などに相談し、

評価額を確定しておきましょう。

 

3.遺産分割協議・名義変更・売却の手続き

 

上記財産調査が終わったら、遺産分割協議をおこない、

誰がどれくらい株式を相続するのか、相続人全員の話し合いによって決定します。

 

遺産分割協議が締結されるまでの間、相続財産は相続人全員の共有状態にあるため、

どなたかが勝手に処分することは認められません。

 

遺産分割協議が無事締結できれば、上場株式は証券会社等の窓口で

手続き進めることができます。

 

一般的な必要書類は下記の通りです。

 

・証券会社所定の名義変更依頼書

・戸籍謄本または法定相続情報一覧図

・遺産分割協議書または遺言書の写し

・相続人全員分の印鑑証明書

 

非上場株式の場合は、発行会社とやりとりして名義を変更することができます。

 

一般的な必要書類は以下の通りです。

 

・株式名義書換請求書兼株主票

・株式名義書換請求書兼株主票(株券廃止会社用)

・株券(株券が発行されている場合)

・相続関係を示す戸籍謄本等

・相続人全員の印鑑証明書

・遺言書もしくは相続人全員の記載のある共同相続人同意書または遺産分割協議書等(相続人が複数の場合)

 

4.株式の相続開始後の配当金について

 

配当金は、誰が受取ることができるのかという問題ですが、

遺産分割協議が決定するまでは相続人全員の共有財産となるため、

金融機関が共同相続人の相続分に応じた配当金の支払請求に応じないことが多いです。

 

配当金支払請求権の承継に当たっては、

遺産分割協議書が必要となる可能性が高いという点にご留意ください。

 

遺産分割協議未了の間については、相続分に応じた持分の過半数によって

権利行使者を指定して会社(株主名簿管理人)に通知し、

当該権利行使者が支払請求を行うことになるものと考えられます。

 

なお、上場会社の配当金支払請求権の消滅時効は、一般的に定款によって3年に

短縮されていますので、この点には注意が必要です。

 

5.まとめ

 

故人がどの金融機関にいくら預けていたのか、どのような株式を所有していたのか、

生活を共にしていても全ての財産を把握するのは中々難しいと思います。

 

故人の相続手続きを進めていく場合、役所に戸籍等の取得のため出向いたり、

多岐にわたる相続財産の金融機関に連絡をしたり、

不動産については相続登記を申請したり等々、

大変な手間と労力がかかるため、相続人にとって大きな負担となることになります。

 

弊所にご依頼いただければ、戸籍収集から相続財産の分配まで

ワンストップの代行サービスをいたしておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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