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被相続人が外国籍の場合の「遺言による登記」について

被相続人が外国籍の場合の「遺言による登記」について

日本在住の外国籍の方が、所有する不動産を相続人以外の方へ贈与する遺言を遺して亡くなられた場合、引き継ぐ方への名義変更手続きは、どのように行えばよいでしょうか。

目次

1.遺言を遺した被相続人が日本国籍の場合

まずは、日本国籍の方が遺言を遺した場合を見ていきましょう。

日本国籍の方が、所有不動産を「相続人以外の人に贈与」する遺言を遺して亡くなられた場合、受遺者(遺言によって財産を贈与された人)は、以下の書類を添付して名義変更の登記を申請します(遺言執行者が指定されている公正証書遺言の場合)。

①公正証書遺言の正本または謄本
②被相続人の死亡の記載のある除籍謄本(死亡を証する書面として)
③受遺者の住民票の写し(住所証明として)
④被相続人の登記識別情報または登記済権利証
⑤遺言執行者の印鑑証明書
⑥不動産の固定資産評価証明書

2.遺言を遺した被相続人が外国籍の場合

外国籍の方が、日本国内に所有する不動産について、「相続人以外の人に贈与」する遺言を遺して亡くなられた場合、どのような書類を添付して名義変更の登記を申請すればよいのでしょうか。

1の①③④⑤⑥の書類は、被相続人が日本国籍の場合と同様の手続きで添付できると思います。
問題となるのは②の被相続人の除籍謄本についてです。
外国籍の方は日本の戸籍制度の対象外なので、被相続人の除籍謄本は存在しません。
では、何を添付して登記手続を行えばよいのでしょうか。

3. 外国籍の被相続人について、除籍謄本の代わりに添付できる書類とは

東京都内の法務局に問い合わせたところ、一概には回答できないが、一般的には、「住民票の除票」を被相続人の死亡証明として除籍謄本の代わりに添付することが可能との回答もありました。
「住民基本台帳法の一部を改正する法律」により、平成24年(2012年)7月9日以降は、「在留カード」が交付されている中長期在留の外国籍の方については、在住する市区町村において住民票が作成されるようになりました。

そのため、住民票が作成されている外国籍の方について、死亡届が役所に提出されると、「死亡の記載が為された住民票の除票」が作成されます。
また、住民票の写しを役所へ請求できるのは、基本的には本人や同じ住民票に記載されている方のみです。ただし、「請求に関して正当な理由を持っている第三者」から請求する第三者請求という制度があり、受遺者も「第三者」として、被相続人の住民票の写しを請求することができます。

被相続人が外国籍の方の相続手続については、必要となる手続が個別の事情に左右されるところが大きいので、まずはご相談いただければと思います。

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