リーガルフェイスの田中です。
寒い日が続き、新型コロナのまん延防止適用期間が継続中でもあるため、皆様方は体調管理に十分ご注意ください。
さて、最近、高齢運転者による死亡事故や傷害事故のニュースを頻繁に耳にするようになり、社会問題化しています。
その一方で、身体機能の低下などを理由に自主的に免許証を返納したいと考えている人が増加し、最近の全国統計では、年間50万人を超える人が免許証を返納しているようです。
ただ、運転免許証を返納してしまうと身分証明書(本人確認書類)がなくなってしまうとの懸念もあったため、平成14年に運転経歴証明書の制度が導入されています。
私も視力の衰えを感じ、先日、運転免許証を返納し運転経歴証明書を取得しました。その際に、運転免許証の自主返納と運転経歴証明書の制度について調べてみたので、あらためておさらいしたいと思います。
1.運転免許証の自主返納制度
免許証の自主返納制度は、身体機能の低下などを自覚した人が、自主的に免許証を返納したいとの要望に応えて、道路交通法が改正され、平成10年(1998年)4月に導入された制度です。
免許証を返納すると必ず運転経歴証明書が発行されるわけではなく、交付申請が必要となります。
2.運転経歴証明書の制度
・平成14年(2002年)6月:運転経歴証明書の制度導入
・平成24年(2012年)4月:犯罪収益移転防止法施行規則の改正により、銀行等で本人確認書類として使用可能に。
・令和1年(2019年)12月:運転免許の失効者も交付申請が可能に。
3.申請可能な人
下記に該当する方はどなたでも申請可能です。
・運転免許証を自主返納してから5年以内の人
・運転免許証を更新せず失効してから5年以内の人
・本人が窓口に来庁できないやむを得ない事情があり、かつ本人の意思確認ができる場合で、代理で手続きを行う人(親族、病院職員、介護施設職員など)
4.申請できない人
次のいずれかに該当する人は申請できないので、ご注意ください。
・現在免許停止中、免許停止基準に該当している人
・現在免許の再試験の基準に該当している人
・交通違反で免許取消になり、現在免許を持っていない人
・病気やけが、薬物のため免許取消となり、現在免許を持っていない人
・返納していない免許を持っている人
5.交付が受けられる場所
運転経歴証明書は下記いずれかで交付が受けられます。
・運転免許センター、運転免許試験場:即日交付
※免許証を更新せず失効している人は、運転免許試験場のみが取扱う。
・警察署:2~3週間を要する
6.有効期限
有効期限は永年有効であり、本人確認できる身分証明書として更新不要で、一生涯有効となっています。なお、紛失した場合は、再交付申請も可能です。
7.メリット
運転経歴証明書を提示することにより、高齢者運転免許自主返納サポート協議会の加盟店で、様々なサービスを受けることができます。
例えば、タクシーやバス運賃の割引、鉄道料金の割引、食材配達利用料金の割引、電動車椅子購入代金の割引などがあります。
(詳細は、全日本指定自動車教習所連合会ホームページ参照)
まとめ
私の場合は、免許を更新せずに失効していたため、運転免許試験場で申請を行いました。
手数料は、1,100円を支払い、申請用の写真を撮影をしてもらい、マイナンバーカードを提示して、手続きを行いました。所要時間は90分程度でした(窓口が混んでいたため)。
私は、都内在住のため、車の運転をしなくてもそれほど困ることはありませんが、交通機関の不便なところは、車がないと生活自体に影響が出ることが想定されますが、自治体等も各種サービスの提供を導入しており、自分の住んでいる市町村の情報を調べておくことが肝要と思われます。
いずれにしても、何らかの事故を起こしてからでは大変ですので、家族とも相談しつつ、免許を変更し運転経歴証明書を取得することを検討してはいかがでしょうか。
リーガル・フェイスグループには土地家屋調査士も在席しておりますので、土地を分けたい方のご相談も承ります。
「父から相続した200坪の土地を兄弟で共有名義にしましたが、自分達の相続が発生した場合共有者が増えることが心配です。」
北海道日高町生まれ、東京育ち。東京法務局などで40年余り登記・裁判の実務経験を経て、平成28年司法書士登録。同年に司法書士法人リーガル・フェイスへ入社。入社後、法人の顧問として、若手社員の育成等に取り組む。