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田舎の土地は相続すべき? 注意点を解説!

田舎の土地は相続すべき? 注意点を解説!

こんにちは。相続課の西野です。

ご両親が代々受け継いでいる土地を相続したい気持ちはあるが、いざ相続すると毎年税金・管理費等でお金が出ていくことが予想されます。
今回は、田舎の土地を相続する際の注意点、相続した後の注意点について解説いたします。

1.まず考えることは?

田舎に不動産をお持ちの方が亡くなったことによって相続が発生した場合、真っ先に考えることは「相続放棄する」か「相続する」かの2つです。

相続放棄する場合

相続放棄する場合、その不動産だけを相続放棄することはできません。相続放棄することで、他の預貯金や有価証券等も一緒に放棄する事になりますので注意が必要です。

相続放棄について過去に詳しくまとめておりますので、詳しくは下記コラムをご参照ください。

士業コラム「相続放棄はどうやるの?やり方まとめ【四コマつき】」

相続する場合

田舎の土地を相続することにした方は、まず相続登記をしておく必要があります。
相続登記を申請しないまま放置していると、その土地の持ち主が誰なのかがわからなくなってしまいます。

また、法改正により相続登記の義務化に関する法令が2024年までに施行されることとなりました。今後はたとえ田舎の土地であっても相続登記せずに放置していると10万円以下の過料に処されることになります。

不動産を相続した場合には速やかに相続登記を済ませましょう。

相続登記義務化に関する詳しい内容は下記コラムをご参照ください。

相続登記義務化の改正法が成立! 施行はいつから? 10万円の罰則⁉ 

2.田舎の土地を相続するメリット・デメリット

続いて田舎の土地を相続することになった場合のメリット・デメリットをご紹介します。

メリット

1つめのメリットは「取得にかかる税金面のコストが低い」ことです。通常、不動産の購入や贈与には不動産取得税がかかりますが、相続であれば不動産取得税がかかりません。
土地を所有し続ければ、年齢を重ねて地方移住という選択肢を取ることもできます。
その他に、土地を活用して副収入を得られる可能性も出てきます。もちろん、固定資産税など維持費はかかってしまいますが、移住や土地の活用といった考えをお持ちの方は相続するメリットがあるのではないでしょうか。

デメリット

田舎の土地を相続した場合でも、所有しているだけで固定資産税がかかり、空き家の場合は定期的に手入れをする必要があり近隣住民の苦情に対してもその都度対応していかなければなりません。
遠方に住んでいれば大変な労力がかかることになり、業者に頼むにしてもその都度費用もかかります。
もしこのような状況が続いていたら、手放す事も考えるようになるでしょう。

3.田舎の土地を手放す方法

ここからは手放すような状況になった際の処分方法をご紹介いたします。

お隣の土地の所有者へ寄付する

よくある事例として、お隣の土地の所有者に寄付することが挙げられます。
隣地の所有者であればその土地を有効活用しやすいでしょうから、寄付に快く応じてくださるかもしれません。

その際、専門家へ依頼した場合の報酬や贈与税の問題等、まとまった費用がかかる点は考慮しておくとよいでしょう。

自治体や法人へ寄付する

他にも自治体や法人へ寄付することも可能です。
自治体へ寄付する場合は、事業目的等で利用したい企業があるかもしれません。
公益法人等は一般企業よりもその可能性が高いといえるのではないでしょうか。

また最近では相続登記義務化に関する改正法に対応して、相続した土地の国庫帰属制度が創設されました。法の施行日はまだ先ですが(2023年度中に施行予定)、今後処分するにあたって選択肢の一つになるでしょう。

国庫帰属制度について詳しくはこちらのコラムをご参照ください。

【新制度】いらない土地は国に返す!  「国庫帰属制度」が創設

寄付により処分方法が決まったとしても、所有権移転登記費用や登録免許税等の税金がかかってしまうので注意が必要です。

ご自身で手続きを行うにはとても大変な作業になりますので、お困りの際は当事務所までご相談いただければと思います。

個人に売却する

不動産会社に仲介を依頼し、個人に売却する方法があります。
買主が見つかるまで時間がかかると思いますが、高く売れるかもしれません。

不動産会社へ売却する

不動産会社へ直接売却する方法もございます。直接売却する場合は売るまでの期間が短くて済むのですが、売却価格が低くなってしまう事が多いと思います。

お近くの不動産会社や田舎の土地取引に特化した不動産会社、空き家バンクなどの地方公共団体が提供しているサービスを活用してみてはいかがでしょうか。

一般社団法人 移住・交流推進機構 JOIN

まとめ

田舎の土地を相続するかどうかで迷われている方や、相続後の費用や手間が気がかりな方は寄付や売却といった選択肢を検討してみてはいかがでしょうか。
2024年度までに相続登記の義務化に関する改正法も施行されますので、相続した田舎の土地の寄付・売却に伴う相続登記についてお困りの際にはいつでもご連絡くださいませ。

また、田舎の土地を相続した際に新しい制度を利用した内容の記事もございますので、下記関連コラムより合わせてご確認くださいませ。

 

田舎の広大な土地を相続したものの、どのように相続すべきかお悩みの方はリーガル・フェイスまでご相談くださいませ。

「父が遺した広大な土地の相続方法に悩んでいます。」

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