1. 相談の背景

不動産ご売却予定の方が急にお亡くなりになり、ご家族が相談にいらっしゃいました。

売却するには相続登記を完了させておくことが必要と言われたが、被相続人には債務があるはずなので、相続するか、また相続するとしたら誰が相続するか悩んでいるとのことでした。

2. 相談に対する弊所の対応

ご家族に詳しいヒアリングを行い、奥様は主要な債務の連帯保証人になられていることが判明しました。並行して被相続人の債務調査を調査機関に依頼しました。

ご家族で調査結果を共有していただき、各々が相続するか、または相続放棄するかを決定していただきました。

注意すべき点として、調査機関の結果には記載されない債務が存在する可能性があることや、債務につき遺産分割協議をした場合でも、債権者に対しては法定相続分で責任を負うことを免れないこと等をご説明しました。

3. 結果

ご家族で十分に協議され全員が相続放棄を家庭裁判所に申立てることはせず、奥様が全ての遺産を単独で承継することと決定されましたので、遺産分割協議書を作成しました。

また当該物件については、奥様を所有者とする相続登記をし、奥様が売主となり無事ご売却をされました。

「いろいろとわからないことばかりでしたが、一つずつ説明していただき、無事に売却までこぎつけることができて本当に良かったです」とのお言葉をいただきました。