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富士山

こんにちは。小澤です。

秋も一段と深まり、日毎に寒さを感じる時節となりました。

夏まではコロナ禍に揺れた毎日でしたが、今はようやく快方に向かっており、

まだ予断を許さない状況ではありますが、

世の中も次第に前向きになってきて、晩秋の冷気すら肌に心地よく感じられるような気がしています。

 

緊急事態宣言も無事解除されたので、先日、河口湖に旅行をして来ました。

秋の河口湖なのでお目当てはもちろん・・・・「紅葉」と、・・・・・・「富士山」です!!

 宿泊先のホテルに到着!

チェックインまでの間に玄関前を散策すると、目の前に広がっていたのは・・・・・

 

 

 

ご覧のような素晴らしい紅葉です。

 

こ、これは!!3歳になった我が息子にも是非この景色を味わって欲しい!

そう思い、隣でしゃがんでいる息子に声を掛けます。

 

「ほら!みてみて!きれいだよぉ〜!!」

 

「・・・・・」

 

残念ながら我が息子は足元に転がるどんぐりさん達に夢中です。

 

「ほら、はっぱが赤いでしょ!きれいだね〜!ね?」

 

「・・・・」

 

あきらめかけたその時、息子がふと顔を上げて言いました。

 

「なんで?なんで赤いの?」

 

「なんできれいなのー?」

 

始まりました。3歳児におなじみの哲学的質問ループの始まりです。

 

 

思えば私も若かりし頃、子供を持つ前はあれこれと想像したものです。

いつか自分に子供が生まれたとして、どうやって物事を教えていくんだろう?

 きれい」という概念をどうやって教えるのか。

子供はどうやって「きれい」を理解してそれを口にするようになるんだろう…。

 ただ、実際に子供を持ってみると、

楽しい」とか「寒い」とかいつの間にか的確に言えるようになってるんですよねえ。保育園の影響でしょうか。

でも、まだ「きれい」は聞いたことないような気がする・・・・・・。

 

 

結局そのまま「きれい」を共有することはできず、あきらめてホテルの部屋にチェックイン。

そして今回の旅の一番のメインイベント。

ホテル自慢の部屋から見える富士山ビューを眺めようと窓際に駆け寄ってみると、、、、、

 

うーん、残念。

やはりこの季節。雲が多いせいもあって、何も見えない状態。

パノラマ撮影してもそもそもどこに富士山があるのか想像もつきません。

残念な気持ちを抑えつつ、ソファーでのんびりしながら、先ほどの「教える」というキーワードについてぼんやりと思いを巡らせてみました。

 

 

 

 

そう言えば、こんなことがありました。

 

所内での配属先の関係で、私は東京司法書士会から神奈川司法書士会に移ることになりました。

そのためにいろいろと書類が必要なので、自宅にていろいろ掘り出していると・・・・。

とあるファイルが出てきました。(な、懐かしい・・・・・!)

それはまだ私がリーガル・フェイスに入所したばかりの頃に配布された書類ファイルでした。

私が個人事務所からリーガル・フェイスに転職してきて最初に驚かされたこと。

自分の目で見て覚えろ、という前職場の方針とは正反対の、至れり尽くせりの研修体制。

(ちなみに今ではこの時よりさらに研修体制は進化しています)

懐古全開でパラパラとページをめくっていると、何やらひときわ大切に保管されている「メモ」が現れました。

 

(ああ・・・・・これは・・・・・)

 

まだ私が入所してまだ数か月。資格登録をしたばかりの頃。

リーガル・フェイスでは、慣れるまでは立会決済にいろんな先輩が毎回同行してくれます。

その日も私よりも一年早く入所した先輩司法書士(年は私よりだいぶ下ですが・・・)に同行してもらいました。

緊張しながらも無事決済を終えて事務所に帰っている道すがら、さっと渡されたのがこのメモです。

 

 

 

そういえば、決済の間ずっと何かメモを取っていらっしゃるなあ、と気付いてはいたのですが。

それは、立会決済のフローチャートであり、お客様別の対応方法やアドバイス、注意点がふんだんに盛り込まれたずいぶんと実用性及びクオリティの高いメモでした。

 

 

この方も、まだ入所2年目で初めていろんな案件を経験し始めたばかりで、事務所に帰っても仕事がいっぱい。自分のことでいっぱいいっぱいだろうに。

ただその場を監督するだけでなく、今後私が安心して立会決済に臨めるように、こんなに詳細で実用的なメモを書いて渡してくれたことに強く感動したことを覚えています。

 

その後しばらくして、私もなんとか一人でスムーズに立会決済をできるようになりました。

が、それでもこのメモだけは処分することができず、大事にファイルに保管したのでした。

思えばいろんな人に助けられて支えられて今日まで歩いてきたものです。

私は、リーガル・フェイスの一番の売りは、これだと思います。

皆が当たり前のように自分の培った経験を惜しげなく後進に伝えていく土壌。

そうして育てられた人間は、自分が今度は教える側になった時には同じように親身に教えていくことになるでしょう。

私たちの業務は絶対にミスをしてはいけない仕事です。

それを遂行するためには緊張がもちろん必要です。が、同時に緩和も必要だと思います。

もし何かにぶち当たっても、先輩が、仲間がいていつでも相談できるという安心感、心理的安定性。

それこそが新たに自由な発想を生み、組織をより高みに導くと考えています。

私も今では、支店長として人を管理・教育する立場になりましたが、現在所属している横浜支店は、

それこそ困っている人がいたら、そこら中から助け舟が出るような雰囲気です。

あの時に味わった経験を、多少なりとも生かせているのではないかと思っています。

 

あの日、誰にも知られることなくなされた先輩の自然な無償の行為は、

誰から褒められることも評価されることもなく

過ぎ行く時間の中に溶け込んでしまいましたが、

今こういう形で再会できましたので、

改めて御礼を言わせて頂きます。(その方は今でも在籍しています)

 

本当にありがとうございました

 

 

〜時は戻って河口湖のホテル〜

 

息子の騒ぐ声ではっと意識を戻すと、さっきまでの曇り空が嘘だったような景色が広がっていました。

 

 

 

 息子  「うわぁ〜〜〜〜きれ〜〜〜い!!!!!!!!!!!!!

 

 

 

(・・・・・・・・言えるんかいっ!)

 

富士山先輩、流石っす。

 

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